Merchant Centerで「MPN missing(メーカー型番の欠落)」という警告が出ると、商品データの品質スコアが下がり、広告の表示機会に影響することがあります。しかし「そもそもMPNとは何か」「SKUとどう違うのか」「自社オリジナル商品にMPNはあるのか」と迷う場面も少なくありません。この記事では、Shopify運用の観点から、MPN・SKU・JANコードの違いを整理し、警告への対応方針を考えます。
MPNとは何か
MPN(Manufacturer Part Number)は、文字通りメーカーが自社製品に付与する型番です。Googleの商品データ仕様ではmpn属性として定義されており、商品を一意に識別するための3本柱(GTIN・ブランド・MPN)の1つです。
重要なのは、MPNは「メーカーが決めた番号」であるという点です。EC事業者が自社で付けた管理番号や、ShopifyのSKUは、原則としてMPNではありません。
SKU・Barcode・MPN・JANの違い
Shopify管理画面とMerchant Centerに登場する「番号」を整理します。
| 用語 | Shopifyの列 | 誰が付けるか | Merchant Center属性 |
|---|---|---|---|
| SKU | Variant SKU |
事業者(店舗) | 該当なし(商品IDの一部として利用される場合がある) |
| Barcode(JAN/EAN) | Variant Barcode |
GS1等の標準化団体 | gtin |
| MPN | 専用列なし | 商品のメーカー | mpn |
| 商品ID(id) | 自動採番 | Shopify | id(フィードアプリが変換) |
ShopifyにはMPN専用の列がありません。そのため、フィードアプリ経由でMPNを送る場合は、SKU列やBarcode列、あるいはメタフィールドをMPNにマッピングすることになります。ここが「MPN missing」の混乱を生む原因です。
Merchant CenterがMPNを要求する条件
MPNはすべての商品で必須ではありません。Merchant Centerの商品データ仕様では、MPNが求められるのは以下の条件を満たす場合です。
MPNが必須になるケース
- ブランド(brand属性)が設定されている
- GTIN(JAN/EAN/UPCなど)が設定されていない、または取得できない
- 新品(condition = new)である
新品でブランドが明確な商品は、GTINとブランドとMPNの3つで商品を特定できることが求められます。GTINがない場合は、ブランド+MPNの組み合わせで代替識別されます。
MPNが不要なケース
- 中古品・コレクター商品(condition = used, refurbished等)
- オリジナルブランドでGTINもMPNも存在しない商品
identifier_exists属性をFALSEに設定できる商品
SKUをMPNとして使えるか
結論から言うと、SKUをそのままMPNとして送ることは可能ですが、条件があります。
SKUが「メーカーの型番」と一致している場合は、そのSKUをMPNにマッピングして問題ありません。たとえば、卸売業者から仕入れた商品のSKU列にメーカー型番をそのまま入れているケースがこれに該当します。
SKUが店舗独自の管理番号である場合は、それをMPNとして送ると誤った識別情報を提供することになります。たとえば「A-001」「B-023」のような社内コードはMPNとしては認識されず、かえってデータ品質を下げる可能性があります。
判断のフロー
- 商品にGTIN(JAN/EAN)がある → GTINを送ればMPNは任意
- GTINがないが、メーカー型番が分かる → その型番をMPNとして送る
- GTINもメーカー型番もない(オリジナル商品等) →
identifier_existsをFALSEに設定する
identifier_existsをFALSEにするタイミング
identifier_exists属性は、商品に標準的な識別子(GTIN・MPN・ブランド)が存在するかどうかをGoogleに伝えるための項目です。
TRUE(デフォルト):GTIN、MPN、ブランドのいずれかが存在するFALSE:これらの識別子が存在しない
以下のような商品ではidentifier_existsをFALSEにすることで、MPN missingの警告を回避できます。
- 自社製造のハンドメイド商品
- オリジナルデザインのノベルティ
- 古いアンティーク品でメーカー型番が不明なもの
- セット商品で単一のMPNが存在しないもの
フィードアプリの設定画面で、identifier_existsを一括でFALSEに設定する機能がある場合は、該当商品だけに適用されるよう条件設定に注意してください。
Shopifyでの確認手順
Step 1:Variant SKU列とVariant Barcode列を確認する
ShopifyのProducts CSVをエクスポートし、Variant SKU列とVariant Barcode列を確認します。
Variant Barcodeに13桁の数字が入っている → JANコードの可能性が高い。GTINとして送れるか確認Variant SKUにメーカー型番らしい文字列が入っている → メーカーのカタログや商品パッケージと照合してMPNとして使えるか判断- どちらも空欄、または社内コードしかない →
identifier_exists = FALSEの検討
Step 2:メーカー型番の有無を確認する
仕入先の商品ページ、メーカーの公式サイト、商品パッケージを確認し、メーカーが付与した型番が存在するかを調べます。型番が見つかれば、それをCSVのメタフィールド列などに追記してMPNにマッピングします。
Step 3:フィードアプリのマッピング設定を確認する
Google & YouTubeチャネルやサードパーティのフィードアプリで、mpn属性にどのShopify列をマッピングしているかを確認します。マッピング先が空欄の場合、Merchant Center側でMPN missingの警告が出ます。
自動チェックと手動確認の分離
MPNの対応は、CSVの分析で機械的に進められる部分と、商品ごとの実態確認が必要な部分に分かれます。
自動チェックで対応できること
Variant Barcode列の空欄検出(GTIN不足の洗い出し)Variant SKU列のパターン分析(社内コードかメーカー型番かの推定)identifier_existsの未設定検出- MPN未設定商品の一覧出力
人間の判断が必要なこと
- SKUに入っている値がメーカー型番か社内コードかの判定
- メーカー型番が存在するかどうかの調査(カタログ・パッケージ確認)
identifier_exists = FALSEにしてよいかどうかの判断- オリジナル商品か既製品かの分類
まずは自動チェックで「MPNが未設定の商品」と「GTINも未設定の商品」を洗い出し、そのリストをもとに手動でメーカー型番の有無を確認していく進め方が効率的です。
相談時に用意するとよい情報
MPN missingの警告でお悩みの際は、以下の情報を整理してからご相談ください。
- 取扱商品のおおよその点数と、警告が出ている商品の割合
- 商品の種類(既製品の仕入れか、オリジナル商品か、その混在か)
Variant Barcode列にJANコードが入っているかどうかVariant SKU列に入っている値の性質(メーカー型番か社内コードか)- 使用しているフィードアプリの名称
- 現在
identifier_exists属性を設定しているかどうか
初回相談では機密CSVやスクリーンショットの送付は不要です。商品の種類と現在のデータ状況が大まかに分かれば、まずは対応方針の整理から始められます。
参考にした公式情報
- https://support.google.com/merchants/answer/6324482
- https://help.shopify.com/ja/manual/products/details/sku
Merchant Center / 商品フィード まわりの作業整理、小さな自動化、簡易チェックツール化について相談できます。初回相談で機密CSVやスクリーンショットを送る必要はありません。
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