Google Merchant Centerで複数国向けに商品フィードを配信しようとすると、最初の壁は「どの項目を国ごとに変えるのか」の整理です。言語や通貨はもちろん、配送料や税の扱いも変わるため、事前に把握しておかないとフィードエラーが連鎖します。ここでは、国別に変動する項目と共通項目を分けて整理します。
国ごとに変わる項目と変わらない項目
商品データのなかには、対象国が変わってもそのまま使える項目と、必ず書き換えが必要な項目があります。この区分を間違えると、Merchant Centerで不承認や表示崩れの原因になります。
| 項目 | 国ごとに変わるか | 主な変更内容 |
|---|---|---|
title / description |
変わる(言語) | 対象国の言語に翻訳。文字数上限は共通 |
content_language |
変わる | 対象国の言語コード(ja / en / de など) |
price |
変わる(通貨・価格) | 通貨コード付きの価格(例: 2980 JPY / 25.00 USD) |
shipping |
変わる | 国別の配送料・日数。送料無料でも明示が必要 |
tax |
変わる(米国など) | 米国は州ごとに税率設定が必要な場合がある |
GTIN |
変わらない | 国際標準の商品識別子。そのまま流用可 |
image_link |
変わらない | 画像URLは共通。ただし画像内テキストの言語には注意 |
brand / MPN |
変わらない | ブランド名とメーカー品番は共通 |
link |
変わる場合が多い | ローカライズURLまたは hreflang 設定済みページ |
GTINや画像はそのまま使えるため、一度用意すれば全フィードで再利用できます。反面、価格と配送は各国の実情にあわせて個別に設定する必要があります。
Shopify Marketsを使っている場合の確認ポイント
ShopifyのMarkets機能で多国展開している場合、ストア側の設定がフィード出力に直結します。以下の項目を事前に確認しておきます。
- 対応通貨の設定 — Markets で各国の通貨を有効にしておかないと、Googleチャネルの価格出力がUSD固定になることがあります。
- 配送プロファイル — 国別の配送料は Shopify の配送設定から制御されます。Merchant Center 側でも配送サービスの上書きが可能ですが、二重管理を避けるためにどちらを主とするか決めておきます。
- 言語ごとの翻訳ページ — Shopify Markets で翻訳ページを生成している場合、
link属性が各言語のURLを出力するか、Googleチャネルの設定を確認します。
Merchant Centerのフィード設定(国別フィードの考え方)
Merchant Centerでは、基本的に対象国(target country)ごとにフィードを分けるのが推奨されます。1つのフィードで複数国をカバーする設定もありますが、言語や価格の管理が複雑になるため、運用上は国別フィードの方が扱いやすい場面が多いです。
フィードごとの最小構成
日本向けフィードを例にすると、次のようになります。
- 対象国: JP
- content_language: ja
- 通貨: JPY
- 配送: 日本国内の配送料と日数
米国向けフィードを追加する場合は、別フィードとして target_country = US、content_language = en、通貨 USD で作成します。
よくあるつまずきポイント
価格の通貨コード不一致
フィードの price に 2980 だけ書いて通貨コードを省略すると、Merchant Center の対象国設定に依存した解釈になります。明示的に 2980 JPY のように書くことで、意図しない不承認を防げます。
配送設定の未入力
対象国の配送設定がフィードにもMerchant Centerにもない場合、商品は不承認になります。送料無料の場合も「0 USD」など明示的に設定が必要です。
画像内テキストの言語
image_link 自体は共通ですが、画像に日本語のテキストが入っている商品画像をそのまま欧州向けフィードに流用すると、ユーザー体験が下がります。可能であれば、主要言語ごとに画像を用意するか、テキストを含まない画像を使用します。
翻訳品質と文字数
自動翻訳をそのままフィードに入れると、title や description が不自然になり、広告のクリック率に影響します。最低でも主要商品の title は人手で確認しておくことを想定しておきます。
自動化できる部分と人手が向く部分
| 自動化に向く | 人手の確認・作業が向く |
|---|---|
| 価格の通貨変換(為替レート適用) | title / description の翻訳・校正 |
| GTIN・MPN・brand の共通項目転記 | 国別配送料の設定・見直し |
| image_link の共通URL出力 | 画像内テキストの多言語対応 |
| feed ファイルの自動生成・アップロード | 税設定の国別・州別調整(特に米国) |
フィードの生成自体はアプリやスクリプトで自動化しやすい一方、翻訳や価格戦略の判断は手動で行う方が安全です。どこまで自動化するかは取扱商品数にもよるため、規模に応じて線を引きます。
相談時に用意するとよい情報
複数国向けフィードの運用を見据えた初回相談では、以下の情報があると話が進めやすくなります。
- 現在展開中または予定している対象国のリスト
- ストアで使用している多言語・多通貨の対応方法(Shopify Markets / 別ドメイン / サブディレクトリなど)
- 各国の配送料がすでに決まっているか、検討中か
- 翻訳の体制(機械翻訳のみ / 人手による翻訳あり)
- Merchant Center のアカウントが既にあるか、新規作成か
初回相談では機密CSVやスクリーンショットの送付は不要です。概要を言葉で伝えていただければ、まずは方針の整理から始められます。
複数国フィードは、項目の分類(共通 / 国別)を先に整理しておくことで、あとの設定作業が大きく変わります。まずは対象国を絞り、変わる項目と変わらない項目を書き出すところから始めてみてください。
参考にした公式情報
- Google Merchant Center Help: Product data specification
- Shopify Help Center: Google & YouTube channel requirements
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