日本語商品ページを英語圏向けに出す時の注意

日本語商品ページを英語圏向けにそのまま出品すると、単位・通貨・配送・返品・サイズ表記のどこかでつまずきやすくなります。翻訳だけ済ませればよいわけではなく、購入者が理解できる単位・通貨・返品ポリシー文言が揃って初めて市場に出せます。この記事では、英語圏向け出品前に確認すべき項目を、自動で確認できる部分と人間が判断すべき部分に分けて整理します。

英語圏向けに出品するときに変わるもの

国内向けに作った商品ページを英語圏へ出品する場合、以下の要素が変わります。

  • 言語 — 商品名、説明文、バリエーション名を英語に
  • 単位 — cm→inch、kg→lb、g→oz など
  • 通貨 — JPY→USD(または対象国の通貨)
  • 配送 — 国内送料→国際送料、配送日数の表記
  • 返品 — 返品・交換ポリシーの英文化と法制度の違い
  • サイズ表記 — S/M/L の基準違い、インチ表記の追加
  • 規制・コンプライアンス — 税関・関税・法的表示(本記事では対象外)

Merchant Center では、ターゲット国ごとに通貨・言語・配送設定が異なります。送料や配送日数は管理画面の配送設定、返品条件は管理画面の返品ポリシー設定(必要に応じて返品ポリシーラベルで振り分け)で整えます。商品データ側の属性だけではなく、これらの管理画面設定も併せて確認が必要です。

単位と通貨の変換ポイント

英語圏(主に米国)では、メートル法ではなくヤード・ポンド法が一般的です。商品寸法や重量の表記を変換しておかないと、購入者がサイズを誤解する原因になりやすいです。

よくある変換一覧

日本語表記 英語圏表記 変換式 CSV 列の例
30 cm 11.8 in cm ÷ 2.54 Body HTML
1.2 kg 2.6 lb kg × 2.205 重量関連列(※ヘッダー要確認)
500 g 17.6 oz g × 0.03527 重量関連列(※ヘッダー要確認)
¥2,980 $19.99 為替レートで換算 Variant Price
100 mm 3.94 in mm ÷ 25.4 Body HTML

商品CSV上の重量関連列は、利用中のCSV仕様・アプリ・エクスポート形式によって列名や扱いが異なります。実際のヘッダーを確認のうえ、設定箇所と単位(lb / oz / g / kg など)をそろえてください。重量は送料計算に影響するため、重複列がある場合はどちらか一つに統一しておくことをお勧めします。

価格は Variant Price に現地通貨で入力します。マルチ通貨ストアの場合は、Shopify Markets で通貨変換ルールを設定し、CSV 上は基本通貨(USD など)で記載する流れが一般的です。

変換時の注意

  • 小数点は切り捨てすぎない — 11.8 in を「約12 in」と丸めると誤差が大きくなる場合があります
  • 重量は送料計算に直結するため、正確な値を入力する
  • 通貨換算レートは定期的に見直す — 固定価格にする場合は為替変動リスクを考慮

配送・返品文言の確認

英語圏への配送では、国内とは異なる送料体系と日数がかかります。Merchant Center の管理画面(設定 → 配送と返品)で以下を確認します。

配送 (Shipping)

  • 配送先国と送料 — Merchant Center の配送設定で対象国・サービス・送料を設定。shipping属性で商品データから補完することもできますが、送料や配送日数は管理画面の配送設定側でも確認します
  • 配送日数max_handling_time / max_transit_time 属性や、Merchant Center の配送設定で日数を確認します。shipping_label は配送日数そのものではなく、配送サービスを分類するためのラベルとして扱います
  • 送料無料のしきい値 — 対象市場や競合の運用に合わせて、送料無料条件や送料表示を確認します(例として $50 以上で送料無料を設ける店舗もあります)

返品 (Returns)

  • 返品受付期間 — 米国向けでは30日前後の返品期間を設ける店舗もあるため、対象市場と自社方針に合わせて確認します。返品不可や条件が分かりにくい表現は、購入前の不安につながることがあります
  • 返品送料の負担 — 誰が払うかを明記(buyer pays / seller pays / split)
  • 返品先住所 — 日本住所をそのまま記載するか、現地倉庫を使うか

これらの文言は Body HTML 内に記載するほか、Shopify の設定 → ポリシーページや Merchant Center の返品ポリシー設定にも反映します。

サイズ表記と商品仕様の書き換え

アパレル・靴・インテリアなどサイズ感が重要なカテゴリでは、英語圏向けの表記への書き換えが特に重要です。

サイズ表記の具体例

項目 日本語 英語圏向け
服のサイズ S / M / L / LL XS / S / M / L / XL / XXL(US サイズ基準)
靴のサイズ 23.5 cm US 6.5 / EU 37
素材 綿100% 100% Cotton
お手入れ 手洗い推奨 Hand wash recommended
商品寸法 幅30 × 奥行20 × 高さ15 cm 11.8 × 7.9 × 5.9 in

素材名やお手入れ方法は Body HTML に記載します。material属性(Merchant Center)を使う場合は、英文名称で統一します。

image_linkadditional_image_link は画像の URL を指定する属性です。画像内に日本語テキストが含まれている場合は、英語表記の画像を用意して URL を差し替える必要があります。これらの属性は画像の代替テキスト(Alt text)ではないため、混同しないように注意してください。

自動で確認できる部分

CSV やスプレッドシート上で、以下の項目はスクリプトや関数で自動チェックできます。

  • 未翻訳フィールドの検出TitleBody HTMLVariant Title に日本語文字が残っていないかを正規表現で検出
  • 単位の混在チェック — “cm” と “in” が同一ページに混在していないか
  • 価格フォーマットVariant Price が数値のみで、通貨記号が含まれていないか
  • 空欄チェック — 重量関連列に数値が入っているか(列名は実際のCSVヘッダーで確認)
  • 画像 URL の有効性image_linkadditional_image_link の URL が 404 でないか
  • 重量単位の指定 — 重量単位の列に lb / oz / g / kg 以外の値が入っていないか(列名は実際のCSVヘッダーで確認)

これらは Google スプレッドシートの REGEXMATCH 関数や、Python スクリプトで一括検査できます。

人間が判断すべき部分

機械では判定できない以下の項目は、手動で確認します。

  • 文化的な適切さ — 日本語のセールスコピーが英語圏の文脈で不自然でないか。直訳すると違和感のある表現に注意
  • ブランド名の表記方針 — ローマ字表記にするか、英語名を別に用意するか
  • 法的文言の確認 — 返品ポリシー、保証文言、免責事項が対象国の慣例に合っているか(税関・関税・法規制は専門家への相談を推奨)
  • 顧客期待のすり合わせ — 英語圏の購入者が「当たり前」と感じる情報(素材構成率、原産国表示など)が欠けていないか
  • 画像のローカライズ — 画像内の日本語テキスト、日本の季節表記、日本のモデル写真が適切か

これらは自動化が難しいため、最初の数商品を丁寧にレビューして社内チェックリスト化しておくと、後続の商品展開がスムーズになります。

英語圏向け出品前チェックリスト

確認項目 確認内容 自動 / 手動 注意点
商品名(Title) 日本語残りがないか 自動 正規表現で英数字・記号のみか判定
商品説明(Body HTML) 英語翻訳済みか、日本語残りがないか 自動 + 手動 文化的な不自然さは手動確認
価格(Variant Price) 現地通貨で正しく設定されているか 自動 通貨記号を含めない(数値のみ)
重量 正しい数値と単位が入っているか 自動 送料計算に直結するため正確に。列名は実際のCSVヘッダーで確認
単位表記 inch / lb / oz に変換されているか 自動 cm と in の混在に注意
サイズ表 US/EU サイズが併記されているか 手動 カテゴリごとの基準を確認
素材・お手入れ 英語表記になっているか 手動 素材構成率の英訳忘れに注意
画像(image_link) 画像内に日本語が残っていないか 手動 URL は画像の URL(Alt text ではない)
配送設定(shipping) 対象国・送料・日数が設定されているか 手動 Merchant Center で配送先国を指定
返品ポリシー 返品期間・送料負担が英文で記載されているか 手動 対象市場に合わせて確認(30日前後を例として設ける店舗もあります)
バリエーション名(Variant Title) 英語に翻訳されているか 自動 + 手動 Color / Size などの標準的な名前に

このチェックリストをスプレッドシートにコピーして、商品ごとに確認状況を管理すると見落としを防ぎやすくなります。

相談時に用意するとよい情報

英語圏向け出品の相談をする際は、以下の情報を用意しておくとスムーズです。初回相談では機密CSVやスクリーンショットの送付は不要です。

  1. 出品予定の国(米国、英国、カナダ、オーストラリアなど)
  2. 対象商品のカテゴリとおおよその商品点数
  3. 現在使用しているプラットフォーム(Shopify、EC-CUBE、独自サイトなど)
  4. 現在の配送方法(日本郵便 EMS、DHL、FedEx など)
  5. 翻訳の進捗状況(未着手 / 一部完了 / 機械翻訳済み)
  6. 特に困っているポイント(単位変換、返品ポリシー、画像のローカライズなど)

これらが揃っていれば、最初の相談で具体的な改善方向を話し合うことができます。

日本語商品ページを英語圏向けに出すには、翻訳だけでは不十分で、単位・通貨・配送・返品・サイズ表記のすべてを現地向けに整える必要があります。上記のチェックリストを参考に、まずは自動で確認できる部分をスクリプト等で処理し、文化的・法的な判断が必要な部分は手動で丁寧に見直すことをお勧めします。

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